ベトナム人従業員から在職証明書の発行を依頼されました。必要な記載事項や決まったフォームなどがあるのでしょうか?
法的に決まったフォームはありませんんが、典型的なサンプルは色々ありますのでほとんどの会社はそれらに則って作成しています。在職証明書を依頼されるケースは珍しくありませんので、一通り目を通しておくことをお勧めします。
労働者から在職証明書の発行を依頼されることがありますが、日本でも人事部などに属していなければ中々目にする機会のない書類の一つとなっています。今回はベトナムの在職証明書について発行を依頼されるケースや必要な記載事項などについて解説します。
在職証明書とは
在職証明書とは文字通りその労働者が企業に在籍していることを証明する書類です。 現在在職中の労働者については「在職証明書」という位置付けになり、既に退職している労働者については「退職証明書」 という位置づけとなります。
労働許可書申請の際に提出する書類でおなじみの「職務経歴証明書」はこの在職証明書(退職証明書)のことを指します。日本国内の会社に職務経歴証明書の発行を依頼するに当たって必要な記載事項を質問されることがよくありますが、 以下の在籍証明書サンプルに記載されている事項が記載されていれば、基本的に必要事項を満たしていると考えることができます(全て一致している必要はありません)。
在籍証明書を依頼されるケース
企業が労働者から在籍証明書を依頼される場合、どういったケースが考えられるでしょうか?ここでは日本人とベトナム人の場合に分けて紹介します。
日本人の場合
日本人が在職証明書(退職証明書)の発行を依頼する場合、ほとんどはビザ関連のためとなります。 例えば、ある企業に属している状況下で他の企業でも就労する場合、 別会社でも労働許可書を申請取得する必要がありますが、その際に既存の労働許可証を使って別会社での労働許可証を申請する場合は在籍中の企業から発行された在職証明書を一緒に提出する必要があります(*既存の労働許可書を使って申請するためには各条件が整っていることが前提となります)。
他にビザやレジデンスカードの切り替えなどで身元保証する企業を変更または消失させる場合などで、在職証明書(退職証明書)が必要となるケースもあります。
参考記事:
ベトナム人の場合
ベトナム人の場合は様々な理由が考えられますが、転職先の企業で自身の職務経歴を証明するために使用する場合や銀行などでのローン審査、他に退職後の社会保険関連で求められる場合などがよく聞かれます。
因みに退職した労働者に対して何かしらの理由で在籍証明書の発給を拒否するような話を聞くことがあります。しかし労働法において労働者が発給の請求をした場合、企業は発給の義務があるとされており(労働法第48条3項)、これについては退職理由の如何に関わりません。また発行や郵送などに関する各費用も企業側が負担することとされています。発給義務に違反した場合は発給を拒否した労働者数に対して100万~2000万VNDの罰金が科されることとなっています。