ベトナム人の面接:志望動機は聞く?聞かない?

ベトナム人の面接で志望動機を聞いてもしっくりくる回答が帰ってこないのですが、事前に志望動機を考えたりはしないものなんでしょうか?

志望動機の大半は自分が求める就労条件に合っているか、ですので自社にしか当てはまらないような回答を期待しないほうがいいと思います。

昨今日本でも面接時に志望動機を尋ねる是非について議論がなされていますが、ベトナムの面接で志望動機を聞くことに意味はあるのでしょうか。今回はベトナム社会における「志望動機」の位置づけについて解説します。

志望動機を聞く理由とは

日本のケース

日本で面接時に志望動機を聞いたり、聞かれたりしたことがあるという人は多いと思います。特に新卒採用では定番の質問で、志望動機をしっかり伝えられるとその会社で働きたいという熱意をアピールすることにもなります。

「事前に考えることができるし、どうとでも言えるから意味ないのではないか?」

という声も昨今では聞かれますが、もっと低い次元として、それすらしっかり話せないような姿勢で面接に臨むのはそもそも話にならないという意見もあります。是非はともかく日本で面接を受ける際には事前に志望動機を考えた上で臨むのがまだまだ一般的かと思います。

ベトナムのケース

一方ベトナムですが、面接時に志望動機を聞くことは一般的ではありません。仮に

「なぜ弊社に応募したのですか?」

と聞いたところで、

「給料がいい、家から近い、土日が休み、環境を変えたかった」

など面接している会社の魅力についてではなく、自分個人の事情を答える人のほうが多いでしょう(建前の志望動機を言う人も中にはいますが本音は上のような理由がほとんどです)。

「だったら別にうちの会社じゃなくてもいいんじゃないか?」

と思うかもしれませんが、よほどベトナムの中で知名度がある企業などでなければ、その会社だけに当てはまる志望動機を聞くのは難しいでしょう。また志望動機の答え方でその人を評価するのはあまり得策ではないと言えます。

私もかつてベトナムの地場企業に勤めていたときに志望動機を聞いていたことがありましたが、部下から「何のために聞くのか?」と言われたことや、私自身も聞いても参考にならないと感じて以来、聞くのを辞めています。

キャリア志向について聞いてみるのはアリ

このように自社を選んだ理由を聞くのはその人を評価する上で参考になりにくいわけですが、募集している職種に関して個人のキャリア志向について聞いてみるのは一考です。これは自身がその分野でどのような成長を望んでいるかを事前に確認することにより、当人が望んでいる成長ベクトルと実際にしてもらう業務のミスマッチを防ぐことに繋がるからです。またスキル向上の目的意識を持った人材は概ね勤務評価が高い傾向にありますので、その受け答えの内容は一定の参考材料となるでしょう。特に専門的な分野での募集であればあるほどその効果が期待できますが、自分の求めるスキルアップができないと判断すれば、すっぱり退職するのもこのタイプの人材の特徴です。

このような質問はベトナムの面接時における定番の質問ではありませんので、事前に準備した建前の回答が出る可能性が低いということもあり、普段から当人が意識していることをダイレクトに聞ける可能性があります。

外国人(ベトナム人)の面接では職歴、募集業務を遂行できそうか、語学力、印象といったところが採用を決める肝になると思いますが、更に参考材料にできる特有の質問を一つ持っておくだけでも、よりマッチした人材と出会える確率を高めることができます。

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