退職した労働者の民間医療保険について

会社の福利厚生として加入していた現地の民間医療保険があるのですが、先日その会社を退職しました。退職後にその保険を利用したとしても特に問題はないのでしょうか?

会社が途中解約をしていないのであればそのまま利用できる可能性は高いです。

ベトナムの民間医療保険は1年単位での契約が多いですが、期間の途中で退職しても解約処理などは特にせず、満期まで放置という会社は多いです。この場合退職後に同保険を利用すると何か問題はあるのでしょうか?本記事では退職した労働者側と企業側それぞれの視点から解説していきます。

労働者側視点:保険利用は特に問題ない

その会社を退職したとしても保険の解約処理がされていないのであれば引き続き保険利用できる可能性が高いです。たとえ法人名義で加入していたとしても保険利用や請求などを個人で行うのであれば、退職した会社に何かしらの依頼をしなければ保険請求できないというものではありません。

ただし会社を退職した場合はビザやレジデンスカードの内容が保険加入時と変更していることが多いと思いますので、新しいビザやレジデンスカードの提示を求められることにはなると思われます。その際に通常保険会社が条件としている種類のビザやレジデンスカードを持っていない場合は保険利用ができないということになるでしょう。

いずれにしても退職後にその保険を利用したとしても、辞めた会社側が既に支払った保険料以上の費用が発生することは普通ありませんので、保険を使ったということに対して何かトラブルが起きるということは考えにくいでしょう。あとは辞めた会社が加入していた保険を利用することに抵抗がないかという本人の感覚次第といったところです。

企業側:条件によっては解約処理をしたほうがいい場合も

次に企業側の視点ですが、上で書いた通り解約処理をせずそのまま放置していたとしても特にリスクはありません。労働許可書やレジデンスカードと違って加入者に対して企業が保証者となるわけではないからです。(ただし退職した労働者が保険を不正利用したことが発覚した場合などであれば、他の労働者が次年度の保険継続をする場合に何かしらの制約をうける可能性は考えられます。)

一方解約した場合のほうがメリットを受けるケースもあります。例えば保険の途中解約が認められているような保険会社の場合、期間中に保険利用が一度もない場合は見経過の期間の保険料が返金されることもあるからです。企業としては退職した労働者の保険契約をそのまま残しておく義理はありませんし、退職後に当たる期間の保険料が戻ってくるのであればそのメリットは大きいと思います。意外とこの解約制度そのものを知らず、本来なら返金処理を受けられるにもかかわらず満期まで放置している会社は多いものです。気になる場合はそういった事例に遭遇した際に契約している保険会社に問い合わせしてみることをお勧めします。

ベトナム現地の医療保険は現地採用、出向者問わず主要な福利厚生の一つです。加入時や更新時の保険料ばかりに意識が向きがちですが、途中で不要になった場合の処理もある程度把握しておいて損はないでしょう。(*本件は一般的なベトナム現地の医療保険についての記載となりますが、詳細は各保険会社で対応が異なりますので個別にご確認ください)

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