従業員に対して通勤用のガソリン代支給を検討しています。周りの話を聞くと一律の額を支給している会社や自宅からの距離に応じて金額を設定している会社などがあるようですが、どういった形を取るのが合理的でしょうか?
距離に応じて細かく設定しているのは合理的に見えますが、細かく設定することにより発生する具体的な問題を把握した上で決定するようお勧めしています。
ベトナムではほとんどの人がバイク通勤で、そのガソリン代を手当として支給している会社もよく見られます。この金額設定は会社によって色々ですが、どういった形を取るのが合理的でしょうか。本記事では企業のガソリン代手当の設定や現場の声などについて紹介します。
ガソリン代の決め方
ガソリン代手当については法令上の規定はありませんので、その企業の裁量で確定していくことになります。ガソリン代の手当額については全従業員一定の額を支給するパターンと、従業員の通勤距離に応じて金額を支給するパターンが見られます。
一律で支給するパターン
従業員の通勤距離に関わらず一律でガソリン代を支給するパターンで、相場としては20万VNDから50万VNDが多くなっています。2023年現在、通常のバイク通勤であれば片道10Kmを週5日通勤すれば1週間で10万VND程度のガソリン代がかかってくるようなイメージです。
距離に応じて支給するパターン
自宅から職場までの距離を計測して支給するパターンです。リッター当たりのガソリン代は時期によって変動しますので、固定のリッター料金を設定してキロ数に応じて設定したり、3キロメートルごとなどに区切った額で支給するといったパターンが見られます。
また日系では少ないですが、ローカル企業では営業やその他業務上の移動などで従業員自身の車やバイクを使用するところもありますので、こういった機会の多い職種については別枠で手当てを支給している会社もあります。
距離に応じて支給する場合のこんな問題
ガソリン代の手当は高額ではないので大きな不満や問題にはなりにくいですが、一般的に距離に応じた支給よりも一律支給が好まれています。それには以下のような背景があるようです。
・処理が煩雑
人によって手当の額が変わるので給与を計算する上での手間やミスが起きやすい。引っ越し機会が多い独身者などの場合に都度ガソリン代を計算し直すのが面倒。
・バイクの種類、バイク通勤者以外の平等性
乗っている種類のバイクによって燃費が異なる、あるいは電動式バイクの場合の燃料計算が難しい、バス通勤の場合は実費支給にする?などなど。「ガソリン代」ではなく「通勤代補助」という名目をとっている会社もあります。
従業員の数が多いとその通勤手段や環境も多様化しますので、様々なパターンを加味して上で従業員が不平等に感じることのない方法で設定されることをお勧めします。