ベトナムの祝日と祭日の違い

ベトナムは祝日とは別に祭日もあると聞きましたが、日本のそれとどのように違うのでしょうか?

日本語訳の便宜上、祝日、祭日と言われていますが、ベトナム語の定義を見ると日本の祝日、祭日とは少し異なる性格を持っていることが分かります。

ベトナムで暮らしていると、ベトナムは日本と比べて祝日が少ないことが分かります。実際日本はほとんどの月で祝日があるのに対し、ベトナムではテトの時期と他に5日だけとなっています。しかしカレンダーを見ると祝日のような日が各月にあるのが分かり、それらは日本語で祭日と言われています。ベトナムの祭日とはいったい何なのか?今回はこの点について解説します。

日越の祝日、祭日の違い

祝日と祭日を理解するに当たり、まずはそれぞれの国における定義について見ていきます。

日本の祝日と祭日

日本における祝日とは法律で定められた休日のことで、祭日とは宗教的な儀式を執り行う日とされています。元々は法律で祭日が定められていましたが、1947年に廃止されたことにより厳密に言うと公的には現在祭日という日は存在しなくなっています。

ベトナムの祝日と祭日

ベトナムの祝日は「ngày lễ」と言われ、建国記念日、独立記念日、労働者の日など、法律または政府によって規定された公式の休日であるものとされています。日本のそれとほぼ同じものとして考えることができるでしょう。ベトナムで祝日に制定されるものとして現状を見ますと、テトを除き建国や独立など国の成り立ちに大きく関わるような日となっています。

一方、祭日は「ngày truyền thống」と呼ばれ、直訳では「伝統的な日」となります。定義としては伝統的に祝われ、個人、集団それぞれにおいて思い出されるべき日とされています。特に宗教的なものに限定されず、「中秋節」や「女性の日」などもこのngày truyền thốngに分類されていますので、日本の「祭日」とは異なる性格であることが分かります。

祭日(ngày truyền thống)を知らないベトナム人も多い

ベトナムの祭日は現在で50日以上ありますが、全ての祭日を認識しているベトナム人はほとんどいません。主要な祭日として話題に上がりやすい日以外は普通の平日としてスルーされることが普通です。来月に控えた「女性の日(10月20日)」や11月20日の「教師の日」を知らないベトナム人はいないかと思いますが、休みにならない祭日に関心をもつベトナム人は少ないものです。

日本にいるベトナム人で日本の祝日を知っている人から言わせれば、「海の日」「山の日」などそれが何を意味するのか謎で、なぜそれが国として祝日休みになるのかよく分からないとのことです。確かに日本の祝日は歴史的な日のみならず自然や抽象的な名前の日が多いので、そういった部分について理解しにくい気持ちは分かります。

他にもベトナムの祭日には地域的な祝い事に関する日も多いので、該当の地域ではよく知られている祭日があったりと同じ国民の中でも知名度に差があったりもします。結婚式や催し事など縁起の良い日としてこれらの祭日が参考にされることもあるそうです。

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