ベトナム人から人気のある資格とはどういったものがあるのでしょうか?
メジャーなところは日本人のものと大差ありませんが、やはり就職に有利、収入アップに直接つながるような資格が人気となっています。
まだ職歴などでアピールできる部分がない新卒生は少しでも横並びの就活生と差をつけるため資格取得に励みます。一般的に新卒はポテンシャル採用とされますが、新卒の定着率が高くないベトナムではある程度短期間で戦力になりそうな人材を採用したがる傾向があります。これを見定める一つの要件が資格となるわけですが、ベトナムではどのような資格がメジャーなのでしょうか?今回はベトナム人の人気資格について書いていきます。
語学はやはりテッパン資格
外資で働く場合は何かしらの語学力を求められるのが大半なので、日系企業に応募する人材の履歴書は必然的に語学の資格が書かれていることが多くなります。一方ローカル企業でも何かしら海外と接点のある企業は語学力を求められますし、仮にベトナム国内で完結するような業態の企業であっても語学の資格は自己のスキルをアピールできる人気資格となっています。
一番人気はやはり英語で、TOEIC、IELTS、TOEFL辺りがメジャーとなっています。TOEICは新卒において700点以上からアピールできるものと捉えられているようで、日本のそれよりも若干高めでしょうか。また英語はできる前提でそれプラス別言語をアピール材料として就活に臨む新卒生も最近では増えています。第二外国語としては中国語、韓国語、日本語が多く、その他の言語はその3つと比べるとまだそれほど多くはありません。政治的にロシア語は比較的身近ではあるらしいのですが、ビジネスの観点ではそれほど人気が無いようです。
Microsoft Officeスキル
ホワイトカラーの仕事ではWordやExcel、Powerpointの使用ができることを前提とした求人が多くなるので、これらが使えることを証明できるマイクロソフトオフィススペシャリスト(通称:MOS)の資格は人気となります。この資格自体はそれほど難しいものではないので、学生にとっても何となく殺風景な履歴書を埋めるには手ごろなものだそうです。この資格はスペシャリストとエキスパートの2種類がありますが、基本的な使用ができる「スペシャリスト」を取得して就活に臨む学生が多くなっています。
Coursera証明書
日本ではあまり馴染みがない資格かと思います。Courseraとは世界中から6,000万人以上が参加する、学生向けの主要なオンライン学習プラットフォームです。世界中の200以上のトップ大学と教育者がCourseraと提携して、学生にコースを提供しています。コースは多様で、コンピューターサイエンス、人工知能、ソフトウェアエンジニアリング、セキュリティ、金融、教育、エネルギー、地球科学、工学、食品、健康、社会、医療、人文科学、情報、デザインなど、ほぼすべての分野をカバーしているそうです。自ら興味のある分野や進みたい業界に関連のあるコースを選択し、それらの修了証明書を取得する流れとなります。この証明書は就職の際に自己学習能力と学んだ知識を就職先で活かすことができるというアピール材料になると言われています。
働きながらの資格取得
このように新卒で初めて就活を始める前準備としてメジャーな取得を取るわけですが、これらはスタートラインに立つためのもので、より専門性の高い仕事を求めるには働きながらその専門の資格を取得していくことになります。ベトナム人は仕事を終えてからスクールに通ったり自己育成に勤しむ人は多く、これらの努力を通して収入を上げていく方が多く見られます。今のところ資格の有無が収入に直接影響を与えやすいというのも自己啓発のモチベーションに繋がりやすいと考えられます。
ベトナムは日本ほど資格の種類がなく、その内容も仕事などの専門性に通じるものが大半です。いわゆる「趣味の資格」と呼ばれるようなものが充実していませんので、社会人になって何かを学ぶとすればビジネスに繋がる勉強がほとんどとなります。