チームビルディングを実施している企業の話を聞いて当社でも導入しようかと思っていますが、どのような効果が期待できるでしょうか?
チームビルディングはスタッフの結束力や日ごろのリフレッシュが見込めますが、近年のベトナム人はチームビルディングに対する印象が様々なようです。
一緒に働くメンバーの結束力を高める目的で行われるチームビルディング。社員旅行の一環やレクリエーションとして実施しているところもよく見られます。ベトナムは日本と比べてチームビルディングが盛んに行われている印象がありますが、そこに参加しているベトナム人はどのように感じているのでしょうか。今回は「今のベトナム人が見るチームビルディング」について紹介します。
必要性を感じている人が少なくなってきている?
2024年7月5日に出されたVNEXPRESSの記事によるとチームビルディングを肯定的にとらえる人は昔より減ってきているようで、特に必要性を感じていない人もたくさんいるとのことです。また参加について強制性の強いイベントは面倒に感じることが多く、本来のチームビルディングが持つ目的とは逆に作用してしまうこともあるとしています。
この理由としては個人の経済事情を挙げており、一昔前は経済的余裕のない会社員が多くいる中、娯楽に身銭を切るというのは現実的に難しかったのが、今では個人で旅行に行くことも一般的となりました。自分で娯楽を享受できる経済的余裕が生まれると、会社でのイベントは娯楽よりも仕事の延長上として捉えるようになり、かつてのように本当の意味でリフレッシュするという感覚でイベントに参加できる人が減っているとのことです。またスマートフォンやSNSの発達により、物理的に離れている人とも簡単にやり取りができることから、周りにいてる人とのコミュニケーションを必ずしも重視しない傾向が出てきているようです。
この辺りは日本でも同じことが言えるかと思いますが、ベトナムも徐々に今の日本寄りの感覚に近づいてきているように感じます。
どのような形が理想的か?
弊社の登録者にチームビルディングや社員旅行について聞いてみると無条件で肯定的な意見を聴けることはありませんでした。彼ら彼女らが考えている理想をピックアップすると以下のような意見が印象に残っています。
・自由参加が望ましい
上でも書きましたがやはり強制性が強いと萎えるようです。何かしらの理由(子どもが小さい、家庭事情など)があったときに気にせず欠席できるような雰囲気があれば気楽とのことです。
・自由時間とのバランス
社員旅行中に行われるチームビルディングの時間が長すぎるという経験をした人がいました。旅行先に着いた後、日中ほとんどの時間をチームビルディングに充てられたとのことで、わざわざ遠出する意味がないと感じたそうです。
・オフィスで仕事をしているよりかはマシ
普段の仕事をしているよりかは公に遊べて、給与も保証されるという観点から肯定できるとの意見です。費用を負担する会社にとってはちょっと切なくなりますが、この回答はよく聞かれました。
・一緒に参加するメンバーによる
これに尽きるかと思います。社員旅行でもイベントでも飲み会でも、メンバーの関係性が良ければ休日でも喜んで参加するでしょうし、業務的な向上性はともかくメンバーの結束力強化にはつながりやすいのではないでしょうか。ちなみに職場メンバーの関係性を見る上で、休日でのプライベートの関りはそれを測る一つのバロメーターとなります。
他社がやっているから自社もチームビルディングを取り入れたほうがいいか?という相談を受けることもありますが、今の時代必ずしもチームビルディングの有無と労働者の結束力に比例性があるとは言えないでしょう。企画の内容やスタッフの関係性によっては逆効果に働くこともあり得なくはないので、消極的な動機で取り入れを検討するのであれば、いったん自社スタッフの内心をリサーチしてみてください。