ベトナム人の昼寝文化

ベトナムに赴任して昼休みは電気を消してスタッフ全員が昼寝をしていることに驚きました。この習慣は子どものときからあるんでしょうか?

ベトナムの気候や習慣に沿った昔からの昼寝文化と言えますが、現代でもその名残がそのまま続いていると考えられます。昼寝習慣は乳児期から続いているものだと思ってください。

ベトナムにいると、ベトナム人はよく昼寝をするなぁと感じるのではないでしょうか。日本でも短時間の昼寝は午後の作業に効果的だという話が認知されて久しいですが、そもそも昼寝の習慣が無い人にとっては、昼寝をすること自体が難しいという人もいるかと思います。今回はベトナム人の昼寝習慣について書いていきます。

ベトナム人の昼寝について考えるのは日本人だけではない

ベトナムに来た外国人でベトナム人の昼寝についてあれこれ思うのは日本人だけではありません。各国の外国人も日本人と同じようなことを考えています。ベトナムのメディア機関VnExpressではそんなベトナム人の昼寝習慣に困惑した外国人の声を紹介しています。

「あんなに騒がしかったオフィスが、昼食の20分後には静まり返った。椅子に座って昼寝をしたり、テーブルにうつ伏せになったり、床にクッションを敷いたりして寝ている。」と、ホーチミン市で英語教師として働く31歳のアメリカ人、マークさんは言います。

マークさんは、米国のオフィスで昼寝をすることは「非常に奇妙」と見なされ、上司から「勤勉ではない」と判断される可能性があるため、このシーンを見て最初は驚いたと述べました。

【Người nước ngoài ngỡ ngàng với ‘văn hóa ngủ trưa’ ở Việt Nam】VnExpress

このように昼食後の昼寝に戸惑いを感じる外国人はいるわけですが、同じく昼寝文化のある国は他にも見られます。

昼寝は暑い時間を避けるための行為

昼寝は日中の暑い時間(11:00~14:00辺り)の活動を避けるための行為として、ベトナムを含む気候的に暑い国でよく行われているようです。基本的にベトナムは朝が早く、オフィスなどは8:00から、学校は7:30からと日本のそれよりも早い時間での開始となっています。その分、ローカル企業では昼休みの時間が多めに取られていることも珍しくなく、その時間的な長さは昼寝時間を考慮されていることが否めません。現代のようにエアコンの効いたオフィスで日中働いているのであれば、暑さを避けるためという理由は通じないと思いますが、子どもの頃から毎日昼寝をして成長してきた身としては、夜の睡眠時間に関係なく昼寝なしでは生産性が落ちるような感覚になってしまっているのではないか?と個人的に感じています。

そういう意味では自社で働くベトナム人スタッフに対し、昼寝をしやすい環境を整えることは重要なことであると言えます。

言語的な観点から

日本人は一日の時間枠を「朝・昼・晩」でとらえますが、ベトナムでは「sáng・trưa・chiều・tối」の4つの枠でとらえます。trưa(チュア―)が伝統的には昼食と昼寝に充てられる時間(11:00~14:00ぐらい)で、この時間帯のベトナム人はあまり活動的ではありません。銀行などのサービス業でも昼休みは営業していなかったりとしっかり休みを取っています。生産効率を考えればこの時間帯は避けた方がいいのかもしれません。

しかし昔と現代では社会的な環境も変わっていますので、かつての感覚のまま昼寝の重要性を全面的に出すことについて疑問視する声もあるようです。ベトナムの大学で教鞭をとっているアメリカ人講師の話では、「昼寝ができる前提で夜の睡眠時間を軽視し、結果的に朝の生産性を落としている。」というものがありました。学生ならまだしも社会人でこのようであれば考え物ですね。

私の周りの日本人でもベトナムに来てから昼寝の習慣ができたという人や、それにより昼寝の効果を実感しているという人もいますので、うまくコントロールできているのであれば良い習慣かと思っています。因みに昼寝の時間帯は外的要因を受けにくいので、私の場合この時間帯に敢えて仕事をすると捗ります。

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