レジデンスカードの更新処理をやっていますが、処理の開始時期が遅かったためレジデンスカードの更新が期限内にできないと言われました。この場合どうなるのでしょうか?
有効期限をオーバーした日数に伴った罰金を支払い、更新申請を行う流れとなります。
ベトナムに長期滞在する外国人のほとんどが必要となるレジデンスカード(以下TRC)の更新作業。有効期限をうっかり忘れていたり、更新に必要な書類の準備に手間取ったりなどで有効期限までに更新処理が間に合わないことがあります。この場合どのような処分が科されるのでしょうか。本記事ではレジデンスカードの更新が期限内に間に合わなかった場合について解説します。
レジデンスカード更新申請のタイムリミットは?
まずTRCの更新申請は有効な滞在期限の最低何日前までにする必要があるのでしょうか?法令47/2014/QH13の第35条3項に一時滞在の更新について以下の規定があります。
3. Trong thời hạn 05 ngày làm việc kể từ ngày nhận đủ hồ sơ, cơ quan quản lý xuất nhập cảnh hoặc cơ quan có thẩm quyền của Bộ Ngoại giao xem xét gia hạn tạm trú.(完全な書類の受領日から5営業日の間に、入国管理局または外務省の管轄機関が、一時滞在の更新を検討するものとします。)
法令47/2014/QH13の第35条3項
つまり既存のTRCの有効期限から最低5営業日前までには更新の申請をしておかなければばらないことが分かります。ただ実務的な話をすると5営業日での更新申請はリスクが高すぎるので、少なくとも10営業日ぐらいはみておいたほうが無難かと思います。因みに条文の「xem xét(検討するものとします)」というのは書類を受領しても更新を保証するものではないというふうに理解してください。
有効期限内に更新が間に合わなかった場合
ではこのタイムリミットの5営業日を過ぎてしまった場合どうなってしまうのでしょうか?この場合は議定144/2021/NĐ-CPの18条(出入国、乗り継ぎ、居住、旅行に関する規制違反)における内容に則って処分を受けることとなります。
TRCの期限切れにおいて、
・有効期限から15日以内:50万ドン~200万ドンの罰金
・有効期限から16日~30日以内:300万ドン~500万ドンの罰金
・有効期限から30日~60日以内:500万ドン~1000万ドンの罰金
・有効期限から60日~90日以内:1000万ドン~1500万ドンの罰金
・有効期限から90日を超えている:1500万ドン~2000万ドンの罰金
普通に更新する意識があって期限に間に合わないといった事例であれば、せいぜい30日以内(500万ドン以下の罰金)に収まるところかと思います。因みに上記の罰金額は違反者個々に科されるもので、組織的なものが理由である場合は上記の2倍の額が罰金として科されることとなります。
TRCの期限に更新が間に合わない、あるいは期限切れ後に更新申請をする場合、オーバーした日数分の罰金を支払い、新しいTRCの発給までに必要な期間に応じた臨時滞在資格を与えられることになります。つまりTRCの更新処理を行う場合においては、期限が切れた場合であっても国外に出国する必要はないということになります。
以上、TRCの期限切れ更新に関する内容を見てきました。最低5営業日前をタイムリミットと書きましたが、実務ではそれ以上の日数がかかることがあること、また外国人労働者のTRC更新は外国人雇用承認、労働許可書の更新処理も同時に発生するのが普通なので、2カ月前(できれば3カ月前)辺りから更新の申請処理に取り掛かることをお勧めします。