労働許可書の更新時期が迫っていますが、パスポートの期限も迫っていますのでパスポートも更新しようと思っています。パスポートを更新した場合、現行の労働許可書はそのままでいいのでしょうか？
パスポートの番号が変わると既存の労働許可書の登録も変更する必要があります。この場合変更処理というよりは「労働許可書の再発行」という扱いになります。
労働許可書の有効期間はパスポートの残存期間以上になることはありませんので、労働許可書の更新に当たり、パスポートの残存期間が長くない場合は事前にパスポートの更新を検討する必要があります。本記事では労働許可書の更新のためにパスポートを更新する件について解説していきます。
労働許可書の更新前にパスポートの更新を検討するケース
労働許可書の有効期間はパスポートの有効期間を超えることがありませんので、通常労働許可書の有効期間が2年とすると、更新時にパスポートの有効期間が2年を切っている場合は労働許可書の更新前にパスポートの更新を検討することになります。
原則パスポートの更新は有効期限の1年前からできるようになっていますが、労働許可書の申請など特殊な理由がある場合は1年以上前からでもその理由書を添えて更新ができるようになっています。労働許可書の更新であれば就業が理由、ベトナム人配偶者を持つ人でレジデンスカードの更新の場合は滞在が理由となりますので、それらの正当性を証明する書類を添えて更新の許可をもらうことになります。詳細は在ベトナム日本大使館のホームページでも案内されていますので興味のある方はご覧ください。
更新したら現在の労働許可書は？
新規で労働許可書を取得する場合は何の問題もありませんが、既に労働許可書を持っている状態でパスポートを更新した場合はどうなるのでしょうか？労働許可書の更新前にパスポートの更新を行う場合、現行の労働許可書の有効期間中に行うのが普通です。この場合、新しいパスポートを取得した時点で現行の労働許可書に記載されているパスポート番号が異なることになります。
Nghị định 152/2020/NĐ-CPでは労働許可書の再発行について規定されており、同12条第3項では「 Thay đổi một trong các nội dung sau: họ và tên, quốc tịch, số hộ chiếu, địa điểm làm việc, đổi tên doanh nghiệp mà không thay đổi mã số doanh nghiệp ghi trong giấy phép lao động còn thời hạn.（氏名、国籍、パスポート番号、勤務地、有効な労働許可証に記載されている企業識別番号を変更せずに企業の名前を変更するは労働許可書の再発行をしなければならない。）」としています。
つまりパスポートを更新して番号が変わった場合は、それが労働許可書更新のためであっても既存の労働許可書を再発行申請しなければならないということになります。
このように労働許可書の更新のためにパスポートの更新をすると、労働許可書の再発行申請という実務的、費用的手間が発生することになります。引き続きベトナムで就業する際にパスポートの更新が必要となる場合は避けては通れない処理をとなりますので現状受け入れるしかありませんが、1年ちょっとのパスポート残存期間があり、帰任が半年後で確定しているなどのケースであれば無理に更新する理由がありませんので、その辺りのベトナム滞在期間と照らし合わせてパスポートを更新すべきかを考えていけばいいでしょう。
