実際に証明書の偽造を提出する場合はどんな人が多いのでしょうか?
利用経験者に当時の状況をインタビューしてみましたので参考にしてください。
前回の記事ではベトナムで作成されている偽造の証明書について解説しましたが、今回は友人に協力してもらい実際に利用経験のある方に話を聞かせてもらいました。
偽造書類を利用する背景
ケース①:高卒の学歴証明書を利用 N・V・Tさん(男性26歳)
私「どういった事情で学歴の作成を依頼しましたか?」
T「高校に進学しましたが、素行の問題で学校を退学しました。地元の会社でワーカーとして働こうと思いましたが高校の卒業条件が必要でして、中卒だと仕事が自営業しかないような環境でした。今となっては高校をちゃんと卒業してなかったことを後悔しています。」
私「偽造の証明書で疑われることは?」
T「全くありませんでした。高卒でも中卒でもそれではっきり差が出るような仕事内容でもありませんので。」
ケース➁:日本語の資格証明書を利用 T・Q・Hさん(男性29歳)
私「日本語が上手いのに、証明書を偽造する必要があったんですか?」
H「日本で6年働いていましたし、日本人の友達もたくさんいます。ただ帰国後に自分の条件に合った日系企業の求人でN2の証明書の提出を求められたので、利用しました。」
私「自分で受験して取らなかったんですか?」
H「日本で働いてた時は証明がなくても仕事に差し支えなかったですし、日本語の勉強もそれなりに続けていたので、別に資格がなくても実際に話せばすぐに分かってもらえるから大丈夫だろうと考えていました。で、帰国したら証明書がないと応募できないということですからね。試験は年2回なんで受けて結果が出る頃には募集が終わってます。実際にN2以上のレベルはあると思いましたので間に合わせで利用しました。」
私「似たような感じで利用する人は多いんでしょうか?」
H「多いかどうか分かりませんが、私のようなケースで利用する人は他にもいると思います。本当のレベルがN3でN1の偽造証明書を提出するなんて人は多分いないと思いますけど。」
私「それはさすがにすぐバレますよね」
H「はい。ただ書類上の資格がないとチャンスを与えてもらえない会社もどうなんだろうと思います。私の場合は実際に日本で6年働いたことは事実なわけですし、それなりに日本語力があると思ってくれてもいいんですが。。。」
組織的な犯罪として警察も注視している
こういった証明書の偽造を行う組織は単独でその業務だけを行っているのではなく、堅気ではない組織が行う仕事の一つとして運営されているという見方があります。このように組織化された犯罪は手口も巧妙で、警察が摘発しても根本から絶つことができず、すぐにまた別のところから同じ業者が現れると言います。
この手の犯罪は結果的に人民を危険にさらす可能性になることもあるので、警察も厳しく取り締まっており安易な考えで利用しないことを呼び掛けています。しかしながら根絶は依然難しく、各々のモラルに訴えるのが現状のようです。
日本人で利用することはまずないと思いますが、こういった書類を提示される機会が全くないとは言えません。形上のものを出されてすぐに鵜呑みにするのではなく、自らそれを判断できる目を養うぐらいの心構えで丁度いいぐらいだと考えます。